医療・介護現場でのAI活用:記録業務を自動化して残業を月20時間削減した方法
医療・介護現場の記録業務という重荷
訪問介護事業所を運営しています。ヘルパー10名が1日に記録する介護記録は平均30件。「食事摂取量7割、水分補給良好、排泄自立」といった定型文を手書きやスマホで入力する作業が、現場スタッフの大きな負担になっていました。
残業の主な原因が記録業務であることが判明し、AIによる自動化を検討。導入から3ヶ月で月20時間の残業削減を達成しました。
導入したツールと仕組み
採用したのは音声入力+ChatGPT APIの組み合わせです。スタッフがスマートフォンに向かって「田中さん、昼食は7割摂取、水分は3回補給、午後は散歩30分、気分良好」と話すと、AIが介護記録の書式に整形して出力します。
開発は社内のITに詳しいスタッフが担当し、Pythonで簡単なアプリを作成。開発費用はほぼゼロ、APIコストは月3,000円程度です。
残業月20時間削減の内訳
- 記録入力時間:1件あたり5分 → 1.5分(70%削減)
- 月間記録件数:約600件 → 削減時間:約35時間
- 修正・確認時間を考慮した実質削減:約20時間
スタッフからは「帰る時間が早くなった」「記録が苦にならなくなった」という声が上がっています。離職率も改善傾向にあります。
個人情報保護への対応
医療・介護分野でAIを使う際に最も気になるのが個人情報の扱いです。弊社では利用者の氏名は入力せず「Aさん」「Bさん」と匿名化した上でAIに処理させ、出力後に担当者が氏名を入力する運用にしています。ChatGPTのAPIはデフォルトで学習に使用されない設定になっていますが、念のため個人情報を含まない形での利用を徹底しています。
今後の展開
現在は記録業務の自動化にとどまっていますが、次のステップとして「ケアプランの文章作成支援」を検討しています。利用者の状態変化を入力すると、ケアプランの修正案を提案してくれる仕組みを構築中です。